- Q:希望退職の手続きは?
希望退職を実施せざるを得なくなりましたが、退職手続きはどのようにしたらよいのでしょうか。特別に留意すべきことがあれば教えてください。(東京・Fリース)
- A
希望退職は一般の退職とは異なった特別の手続きが必要だと考える向きが少なくないようですが、一般的な手続きで差し支えありません。法的には労働契約の合意解約に当たるからです。
使用者の希望退職を募る意志表示は、合意解約の申し出に当たり、これに対する労働者の応募は受諾となります。合意解約は一種の契約(退職契約)ですから申し込みに対する受諾で法律効果が生じます。本来は退職届などの書面の提出は必要ないものです。
このように、希望退職も一般の合意退職同様、労使の意思の合致で法律効果が生じますが、退職金が上積みされるなど、一般の退職と異なる取り扱いがされるのが普通ですから、書面化しておいた方がよいかもしれません。その場合、労働者の退職届には「希望退職に応募する」旨明記するのがよいと思われます。
また、希望退職の場合、後になってから労働者から脅迫による意思表示で無効だなどと主張されることもないとはいえませんから、労働者の自由意思であることの証拠として退職届の提出を求めることが必要ともいえます。希望退職手続きの雛形がないかと聞かれることがありますが、法律的には合意解約であるため必要もないのです。労働者の自由意思であることが明確なら形式にこだわることはありません。
- Q:移籍で賃金ダウンとなる場合、どうなる傷病手当金?
傷病手当金を受給して休業中の労働者を関連企業に移籍することになりました。賃金がかなりダウンしますが、傷病手当金も引き下げられるのでしょうか。(岡山・L精鋼)
- A
ご質問のケースは、法律的に見ると貴社を退職し、関連企業と新たな労働契約を結ぶことになります。こうした場合、資格喪失後も法定期間は従前の傷病手当金が支給されることとの関係上、傷病手当金を減額しないのが妥当なようにも思われますが、行政解釈はそうではありません。新たな賃金に基づいて算出される標準報酬日額の6割が支給されることになります(厚生省保険指導課)。これは、健康保険法45条の「傷病手当金トシテ一日ニツキ標準報酬日額ノ百分ノ六十ニ相当スル金額ヲ支給ス」を忠実に解釈した結果のようです。
資格喪失後の取り扱いとの関連で不公平のように感じられないでもありませんが、賃金アップの場合は傷病手当金も上がりますから妥当な解釈といえそうです。
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