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| タイトル: | 人事・労務問題相談室 | ||
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| 労基旬報第1011号(平成8年11月25日)より |
| 日常の職場で起こった人事・労務の法律実務や取扱い上の疑問に専門家がお答えしたものです。 |
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過半数労組と三六協定を締結していますが、 パートタイマーなど非組合員の増加で、 ある支社では労組員が過半数に達しない事態になりました。 協定の有効期間はまだ残っているのですが、 労組員が過半数に達しなくなった時点で無効となり、 新たに 「労働者の過半数を代表する者」 を選出して協定し直さなければ残業を命じられないのでしょうか。 また、 過半数労組や過半数代表者の母体となる 「労働者」 には管理監督者なども含まれるのでしょうか。 (東京・T証券)
三六協定の締結単位は事業場 (支社) ですから、 労働組合が全体としては過半数を維持していても、 ある事業場について見ると過半数に達していないという場合は、 その事業場については新たに 「労働者の過半数を代表する者」 を選挙などで選び、 その者と協定を締結し直さなければならないというのが基本的な考え方です。
雇用形態の多様化で、 非組合員であるパートタイマーを導入する企業が増加傾向にありますから、 特定の事業場で労組が過半数割れになるケースは十分考えられます。
そこで、 最初の質問の 「労組が過半数割れになった時点で三六協定が無効となるか」 ですが、 実務では締結当事者としての過半数要件は協定の締結時に満たされていれば足り、 その有効期間中に欠けても当該期間中の効力に影響がないと解されています (昭36・1・6、 基収6619号)。
協定には有効期間を定めることが義務づけられており (労基則16条2項)、 またその期間は1年以内が大半であることから、 そのように解しても労働者全体の意思から著しくかい離するとはいえないというのが、 その理由のようです。 これは自動更新制度を取っている場合も同様で、 次回の更新期日が到来するまでは当初の過半数労組との協定は有効だと解されます。
要するに労働者の過半数を占めるという要件は協定の成立要件ではあるが、 存続要件ではないというのが、 実務の確立した考え方です。
ご質問に即していうと、 協定の有効期間中は現在の三六協定で残業を命じても差し支えありません。
次に、 管理監督者など時間外労働の規制を受けない労働者も 「過半数代表」 の選出母体に含めるのか、 ですが、 結論的には含めなければなりません。 この問題については管理監督者に限らず時間外労働の規制を免れたり禁止されている者は 「労働者」 から除外すべきとの考え方もありますが、 労働省は 「当該事業場において法律上又は事実上時間外労働又は休日労働の対象となる労働者の過半数の意思を問うためのものでなく…当該事業場の全ての労働者の過半数の意思を問うためのものである」 (昭46・1・18、 基収6206号) との見解を維持しています。
要するに、 その事業場で労働契約の締結下にある者は休職中の者なども含め、 ここでの労働者に入ります。 なお、 出向者は入りますが、 派遣者は除外されると解されます。
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タクシーの乗務員のなかに稼ぎ高の多い者と少ない者がいます。 経営が厳しいため、 好成績者の出勤日数を増やし、 不成績者は減らしたいのですが法的問題がありますか。 (宮城・R交通)
稼ぎ高の多い運転者の出勤日数を増やすことは、 法律的には休日出勤させることを意味します。 休日出勤は三六協定で定められている日数の枠内なら問題なく命じることができます。 それが労基法の休日 (週1回ないし4週を通じて4日) なら3割5分の割増賃金の支払いが必要 (法定外休日なら通常の賃金) になることを踏まえておけばよいでしょう。
若干の検討を要するのは、 休日出勤を命じない (それゆえ報酬が相対的に低くなる) 労働者に対する差別にならないか、 ですが残業 (休日出勤) は経営の必要に基づいて命じる性格のものですから、 労働組合運動を嫌悪するなど特別の理由がない限り差し支えありません。 一方、 稼ぎ高の少ない労働者の出勤率を減らすことには難しい問題があります。 というのも、 出勤日数は就業規則で定められ、 それが労働契約の内容になっていますから、 使用者側から出勤日数の減少を申し出ることは法律的には減少した日数分についての労務の受領拒否に当たり、 少なくても歩合給部分を除く基本給の支払い義務が生じると考えられる (民法第536条2項) からです。 これは労務の提供不能が使用者側の事情によるためです。
もっとも、 労働者が出勤日数の削減に同意するならそれをいちがいに不利益とはいえません (報酬は減少するが労働も減る) から差し支えないと思われます。
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一泊の予定で会社の研修施設への出張命令を受けた労働者が会議の終了後、 夜の行事は懇親会を残すのみだったので、 その日の夕方マイカーで帰宅途上に交通事故に遭い、 ケガをしました。 この場合、 業務上災害と認められますか。 (大阪・E商事)
出張中は使用者の包括的な指揮監督下にあるものとして、 自宅を出てから帰宅するまでの事故が原則として業務上災害として取り扱われます。
ただ、 出張の目的を離れて観光中にケガをするなど逸脱中に生じた事故は当然ながら業務外となります。
ご質問の場合、 一泊の予定を変更して会議の終了後帰宅の途についたことが私的逸脱に当たるか否かで判断されることになります。 たとえば、 懇親会で会社幹部の重要な話しが予定されていた場合などは懇親会自体が出張の目的に含まれますから、 途中での帰宅は私的逸脱として業務外と判断されざるを得ないでしょう。
反対に、 懇親会が文字どおり飲食の場に過ぎなかったのなら会議への出席で出張の主たる目的は果されたことになり、 その後の帰宅途上の事故も合理的な経路・方法なら業務上災害と認められると思われます
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