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| タイトル: | 人事・労務問題相談室 | ||
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| 労基旬報第1009号(平成8年11月5日)より |
| 日常の職場で起こった人事・労務の法律実務や取扱い上の疑問に専門家がお答えしたものです。 |
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一定層の労働者のうちの希望者に対して有給 (ただし不出席の場合は欠勤扱いし、 賃金カット) で1カ月間就労を免除して社外の教育機関で研修を受けさせたところ、 一部の者から会社の終業時刻を超えて受講した時間については時間外手当を支払って欲しいとの申し出がありました。 受講時間が賃金支払いの対象となっている不出席の場合は欠勤扱いで賃金カットされる、 のは労働時間の証拠であり、 その延長は時間外労働となる、 との主張です。 時間外手当を支払う必要があるのでしょうか。 (東京・Oシステム開発)
労働時間とは原則として使用者の指揮監督の下にある時間をいい、 その時間に対しては賃金の支払いが義務づけられますから、 賃金の支払い対象となっている時間は労働時間である、 と考えられがちなようです。
しかし、 常にそのような解釈が成り立つとは限りません。 たとえば、 所定労働時間中の労使協議時間について賃金を控除 (カット) しなかった場合は当該時間は賃金の支払い対象にはなっていますが、 仕事上の指揮監督から解放されているのですから労働時間ではありません。 また、 遅刻や私傷病欠勤などを賃金控除の対象としない例はかなり見られますが、 そうした時間について賃金が支払われていても労働時間でないことは自明です。
このように、 使用者の指揮監督下にないにもかかわらず賃金支払いの対象となる時間は 「賃金時間」 と呼び、 労働時間とは区別して理解されています。 したがって、 ご質問の労働者の言い分の 「受講時間が賃金支払いの対象となっているから、 会社の所定終業時刻を超える受講時間は時間外労働となる」 には根拠がありません。
むしろ、 検討を要するのは、研修不出席の場合は欠勤扱いで賃金カットされることが、 労働時間性の判断にどう影響するかだと思われます。 というのも、 自主参加の教育・研修は原則として労働時間となりませんが、 「参加することについて、 就業規則上の制裁等の不利益取り扱いによる強制 (がある)」 場合は労働時間となると考えられている (昭26・1・20、 基収2875号) ため、 一般の場合の欠勤には賃金控除しないのに、 当該研修についてだけ不出席について控除するという趣旨であれば、 その点が不利益扱いによる 「出席の強制」 にならないか、 の問題があるからです。 この点については、 前掲労働省通達は 「制裁などの不利益扱い」 と強い語調を用いており、 一般的にはけん責などの懲戒処分や昇給、 賞与のマイナス査定と受け取られていますから、 欠勤扱いによる賃金カットだけでは強制とまではいえないと考えられます。 また、 一般の欠勤にも賃金カットしている場合は、 ノーワークノーペイ原則の適用に過ぎませんから、 強制に当たらないことはいうまでもありません。
結局、 ご質問の研修は自由参加であることや不参加 (不出席) の取り扱いが賃金控除にとどまり、 それ以上の不利益を与えるものではないことなどから、 時間外手当の支払い義務はないものと解されます。
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一部の労働者について固定残業手当制度を採用することになりましたが、 それら労働者のタイムカードは廃止しても問題ありませんか。 なお、 他の一般労働者については維持するつもりです。 (長野・Q食品)
タイムカードは出退勤の確認方法の一つであり、 労基法で採用を義務づけられているものではありません。 労基法が使用者に義務付けているのは、 要するに 「労働時間を把握すること」 ですから、 出退勤時刻が確認できるのなら他の方法でもよく、 現に出退勤簿を用いているところはかなりありますし、 また、 管理者の確認による方法でも違法とされる理由はありません。労基法は「賃金計算の基礎となる事項」 として残業時間の記録などを義務付けています (第108条) が、 時間管理の方法については何ら触れていないからです。
このように、 タイムカードが法的な制度でない以上、 その廃止は固定残業手当制度の労働者に限らず一般に法的問題を生じさせることはありません。 ご質問のように固定残業手当制度の労働者についてだけタイムカードを廃止することも法的には支障ないといえます。
しかし、 すでに述べたように使用者は労働時間 (始終業時刻) を把握する義務があり (管理監督者などは除外)、 固定残業手当制度の労働者についてもその点は変わらない (固定手当を上回って残業した場合は差額支給義務があるため、 労働時間の把握が必要) のですから、 メモ、 管理者の確認などなんらかの措置は必要となります。
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脳いっ血の後遺症で傷病手当金を受給しながら休業していますが、 間もなく定年で退職します。 被保険者資格がなくなることになりますので手当金は打ち切られるのでしょうか。 なお、 退職時点では支給開始後約3カ月となります。 (福岡・E生)
健康保険の被保険者が病気やケガで会社を休んで報酬がない場合は、 休業4日目から傷病手当金がもらえますが、 この手当金は退職して被保険者資格を喪失してもただちに打ち切られることはありません。
退職まで継続して一年以上被保険者期間がある退職時に傷病手当金を受けているか、 または支給をうける条件を備えている、 のどちらの要件も満たしている場合は、 同一の病気やケガについてのものである限り退職して被保険者資格がなくなっても継続して支給されます。
支給される期間は、 支給が開始された日から最長1年6カ月です。 ご質問では、 定年退職の時点で約3カ月経過するとのことですからそれ以降約1年3カ月間については継続して傷病手当金を受給することができます。
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