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| タイトル: | 人事・労務問題相談室 | ||
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| 労基旬報第1008号(平成8年10月25日)より |
| 日常の職場で起こった人事・労務の法律実務や取扱い上の疑問に専門家がお答えしたものです。 |
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2カ月の期間を定めて雇用していた女子労働者が就労中に事務所で転び、 眼鏡のフレームが顔に当たって全治数カ月のケガをしました。 療養のための休業中に期間が満了しますので雇用契約を解消 (雇い止め) したいのですが、 法的問題があるでしょうか。 (山梨・X製菓)
労働者が業務遂行中にケガをしたり業務と関係のある病気にかかった場合は、 療養のために休業する期間およびその後の30日間は解雇が禁じられています。 ケガや病気による再就職の困難を緩和する趣旨です。 ところで、 再就職の困難は労働契約の解消によってもたらされるものであるため、 業務災害で療養休業中およびその後30日間はその事由を問わず労働契約の解消一般が禁じられていると考えられがちなようです。 しかし、 そうした理解は法律解釈としては適切といえません。
労基法が禁じているのは、 使用者の一方的意思表示で労働契約を解消する 「解雇」 についてだけで、 その他の労働契約解消事由にはなんら触れていないからです。
ご質問の雇用期間の満了による労働契約の解消は期間の経過という事実に基づいて生じるもので、 使用者の意思は介在しませんから解雇制限の規制を受けることはありません。
労働省は、 「…業務上負傷し又は疾病にかかり療養のため休業する期間中の者の労働契約もその期間満了とともに労働契約は終了するものであって、 法第19条第1項の適用はない」 と通達 (昭63・3・14、 基発150号) していますが、 当然の理を確認したものといえます。 ただし、 これは法律解釈上いえることですから、 使用者が期間満了を解雇に準じて扱い、 法定に準じた期間について労働契約の解消を猶予することは差し支えないばかりか、 望ましいといえます。
つまり、 業務上災害を被った労働者の期間満了による雇い止めを猶予することは望ましいとはいえても、 法律的な義務ということはできないのです。
しかし、 業務上の被災労働者に対する期間満了による雇い止めが許容されるかは、 労基法の規制ばかりでなく判例法理の面からも検討することが必要です。 近年の判例は期間雇用者についても、 実態的に期間の定めなき雇用と同一視できる場合は、 解雇権濫用法理を類推適用して雇い止めを無効とする (継続雇用を命ずる) 傾向があるからです。
期間の定めなき雇用と同一視されるケースは使用者が長期継続的雇用を約束していた仕事の内容が正規労働者と同じ (責任も含む) などの場合と考えてよいでしょう。
ご質問の期間労働者が、 に該当する場合は、 労基法の解雇規制は受けないものの解雇権濫用法理による制約を受ける可能性は否定できません。 逆に、 短期雇用であることを明確にし、 しかも補助的な仕事の場合は雇い止めに障害はないと思われます。
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得意先の慶弔の行事に社員を出席させることがありますが、 そうした時間は労働時間と取り扱わなければならないのでしょうか。 (大阪・T商会)
労働時間は使用者の指揮監督下にある時間のことであるというのが、 一般的な考え方です。
ご質問のように慶弔の行事 (葬儀や婚礼) に出席させるのも広い意味での指揮監督によるものと解することができますから、 出席時間が労働時間に該当するか、 の疑問が生じえます。 しかし、 抽象的な指揮監督下にあるといえても業務遂行性が希薄な場合は労働時間ではないと判断するのが一般的な考え方といえます (たとえば、 出張中の交通機関乗車中は包括的な指揮監督下にありますが、 労働時間ではありません)。
慶弔の行事への出席は企業運営を円滑にするための社交儀礼として必要でも、 一般的な場合は業務遂行性が希薄なので労働時間といえないと思われます。 慶弔行事への出席が業務といえるためには使用者の積極的特命業務上の緊要性などの要件が備わった時と解すべき (同旨、 前橋地裁・高崎労基署長事件、 昭50・6・24) だと思われます。 このように解さないと、 一般社員については三六協定がないと休日や終業後に慶弔行事に出席させられないことになりますが、 それは常識から離れた考え方といえます。
ただし、 労使間の扱いとしては労働時間でなくても賃金対象時間とするのはいっこうにかまいませんし、 また、 その時間は拘束されていることには違いありませんので妥当な額の手当を支給するのが適当ですし、 一般にもそのように取り扱われているようです。
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勤務態度の悪い労働者を解雇し、 雇用保険の手続きをしないまま放置していたところ、 このままでは罰せられるぞとおどしてきました。 このような場合でも雇用保険の手続きをしてやらなければなりませんか。 (東京・Y工作所)
使用者 (事業主) は、 労働者が退職した場合はその日の翌日から10日以内に 「雇用保険被保険者資格喪失届」 を管轄の公共職業安定所に提出しなければなりません。 また、 原則としてこの届に 「雇用保険被保険者離職証明書」 を添えなければならないことになっています。
これらの事業主の届け出義務は、 労働者の退職理由がどのようなものであっても免れません。 たとえば、 無断退職、 事業主との感情のもつれがある場合あるいは懲戒解雇の場合でも変わることはありません。
したがって、 ご質問の場合も当然所定の手続きが必要です。 もし、 離職証明書の提出を拒めば、 6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。 (雇用保険法第83条)。
感情は別として早く手続きをしてやるべきでしょう。
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