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| タイトル: | 人事・労務問題相談室 | ||
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| 労基旬報第1000号(平成8年7月25日)より |
| 日常の職場で起こった人事・労務の法律実務や取扱い上の疑問に専門家がお答えしたものです。 |
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割増賃金について、お尋ねします。盆など世間一般の労働者が休みの時期に休日労働が必要となったり、また、通常の時間外労働でも職場によって仕事の負担度(キツイ、汚れる、危険)が違いますので、当該時期の休日労働や負担の重い仕事で時間外労働をする労働者から不満が出ています。そこで、時期によって休日労働の割増率を変動させたり、仕事の負担度によって時間外の割増率に差をつける仕組みとしたいのですが、問題ないでしょうか。(長野・I道路サービス)
労働時間に時間外労働をさせた場合、使用者は前者について二割五分、後者には三割五分の割増賃金を支払わなければなりませんが、この基準を下回らない限り、どのように割増率を定めるかは自由です。労基法の基準に達しない労働条件(割増率)は無効となりますが、それを上回る分については原則的には法は関知しないからです。
したがって、ご質問のように、たとえば、盆や年末における休日労働賃金の割増率を通常時期より高く四割、五割としたり、一般職場の時間外労働賃金の割増率を法定の二割五分とする一方で、負担の重い仕事(職場)の割増率を三割とすることなどは、違法ではありません。
割増率を高くする時期や仕事を具体的に明らかにして、就業規則に定めておけば、割増率を変動させたり、格差をつけることも問題ないと考えられます。
むしろ、難しいのは労務管理上の問題で、休日労働が嫌われる時期についての労働者間の共通認識は容易に得られるとしても、どの職場の仕事の負担度(キツイ、汚れる、危険)が重いかについてのコンセンサス(合意)をうるのはかなり難しいのではないかと思われます。この点での労働者間の合意が得られない場合に割増率に格差をつけると、法定基準に据えおかれた労働者から不満が出てかえってマイナス効果がもたらされる危険があります。仕事の負担度に応じて割増率に格差をつけるには、労働者の意見を十分にくみ上げてランクづけをする必要があるでしょう。
貴社に労働組合がなく、したがって労働条件に関する労働協約が存在しない場合は、これまで述べたことに留意すれば、ご質問の「変動」および「格差」割増率制度の導入に支障はないと考えられます。
しかし、労働協約で割増率について協定している場合は、当該協約も就業規則に合わせて改定する必要があります。労基法第92条は、就業規則は労働協約に反してはならないと定めており、この場合の「反してはならない」には労働協約の基準を下回る場合ばかりではなく、上回る場合も含まれると解されるからです。このため、時期や仕事の負担度を考慮して割増率を法定基準よりも高く設定しても、労働協約で法定基準どおりに定めていると、就業規則の割増率が無効とされることになります。![]()
受け入れている女子の派遣労働者は遅刻・早退がめだつ他、私語が多いなど勤務態度に真面目さを欠き、自社の労働者にも悪影響を与えています。けん責処分に付して反省を促したいのですが、法的な問題があるのでしょうか。(東京・Y商事)
派遣労働者に対しては、派遣先(受け入れ企業)が指揮命令できる(労働者派遣法第二条)ため、けん責などの比較的軽微な懲戒処分は派遣先においてもできると考えられがちなようです。
しかし、懲戒権の行使は労働契約上の根拠が必要ところ、派遣先は派遣労働者と労働契約を締結していませんので、懲戒処分をすることはできません。ご質問のけん責は、制度的な懲戒処分ですから、その発動は思いとどまるのが賢明です。
といっても、現実に不真面目な勤務態度を取られたら業務に支障が生ずることは避けられませんから、口頭で勤務態度の改善を勧告するのが妥当でしょう(これは懲戒ではなく、指揮命令の内容に含まれる教育・指導と理解できます。)
このように、派遣の場合は出向先とも労働契約が成立する出向とは異なり、懲戒の面で受け入れ先企業が大きく制約されていることが特徴ですが、その反面、雇用面の責任は格段に軽いわけですから我慢しなければならないといえそうです。
なお、勤務態度が改まらない場合は派遣契約の解除で問題解決を図る意外にありませんが、教育・指導を実施済みであることがその合理的理由となります。![]()
採用したあるパートタイマーは夫の被扶養者となっているため、健康保険に加入したくないといっています。本人の希望のまま被保険者資格を取得させないでおいてもよいのでしょうか。(宮城・K製作所)
保険料を徴収されることを嫌って、社会保険に加入することを希望しない主婦パートはかなり多いようです。
しかし、適用事業場に雇われ、報酬を受けるものはパートタイマーなどの身分を問わず被保険者となるのが法律の原則的な考え方です。ただ、実際には保険関係の継続的安定性や他の社会保険との兼合いなどから「常用的雇用関係」にないと認められる場合は、被保険者としない取り扱いがなされています。
現在、都道府県ごとの基準で取り扱いをしているようですが、原則的には@1日または1週の所定就労時間が一般社員の4分の3以上A1ヵ月の所定就労日数が一般社員の4分の3以上、の基準を満たす場合は、被保険者として取り扱っているようです。
パートの希望に任せるためには、所定就労時間を概ね正社員の4分の3未満に設定すべきでしょう。![]()









