出産と育児に関する給付制度

(2005年10月1日)
出産と育児に関する給付金を整理した。
出産と育児に対する給付
出産育児一時金
  妊娠・出産は健康保険が使えないため全額自己負担となり、その出産費用の一部をまかなってくれるのが「出産育児一時金」です。
健康保険および国民健康保険に加入している人か、その配偶者が分娩(妊娠4カ月以上の分娩)したとき、一人の出産につき、30万円の一時金(2006年10月1日以降の出産=35万円)が受け取れます。
  
【窓口】健康保険加入者: 事業主を通じて社会保険事務所へ
国民健康保険加入者: 各市町村の国民健康保険担当
  
双子なら2倍の60万円で、出産育児一時金の請求用紙の証明欄に、担当医から「多胎」と記入してもらう(子供の人数分の用紙が必要な場合もある)。
健康保険組合により、国民健康保険で住んでいる自治体によっては、「付加給付」がついて+αが給付される場合もある。妊娠4カ月(85日)以上で死産や流産をした場合でも「出産育児一時金」の支給対象になる。
本人が1年以上勤務し、退職後6カ月以内に出産した場合は、勤務していたときに加入の健康保険の機関に出産一時金を請求することもできる。
一時金の請求は出産後2年以内。
出産手当金
  仕事を継続する女性の産休中の手当で、法で定められた産前・産後休業(産前42日・産後56日)の間、給与が支給されない場合(殆どの会社は無給)にその分を補填してくれる制度。
  受給対象者:(2007年4月以降は(3)(4)の任意継続要件が廃止となる)
(1)産休中も勤務先の健康保険に加入している人
(2)勤務先の健康保険に1年以上継続して加入し、退職日の翌日から6カ月以内に出産した人
(3)勤務先の健康保険に1年以上継続して加入し、退職時に任意継続し、その任意継続中に出産した人
(4)勤務先の健康保険に1年以上継続して加入し、退職時に任意継続し、任意継続を辞めて6カ月以内に出産した人
   … 勤務先の健康保険を1年未満で退職した場合でも、任意継続して所定の条件を満たせば可能な場合もある
  
受給できる金額=日給(標準報酬日額)×0.6×休んだ日数
 … 勤日給(標準報酬日額)とは、標準報酬月額を30日で割った金額。出産手当金は「出産による収入減の補填」が主旨であるため、給与が多ければ支給額も多くなる。
出産手当金を受けられる期間中に事業主から給料の一部または全部が支払われた場合は、収入の喪失がないために出産手当金は支払われない。
事業主から支払われる給料の額が、出産手当金の額(1日につき日給(標準報酬日額)の60%に相当する金額)より少ない場合には、その差額が出産手当金として支給される。60%を越える給料が支払われた場合は、収入の喪失は無いために全く出産手当金は支払われない。
産前産後休業(産休)期間:分娩予定日を基準とし、予定日を含む予定日前の42日間(多胎妊娠の場合には98日間)と、予定日の翌日から56日間を産休期間とする。事業主は、この産休期間中には本人を働かせてはならない。ただし、本人が請求し、医師が支障ないと認められた場合には、業務について差し支えない。
勤務が常勤であっても、加入の保険が国民健康保険の場合は受給できない。ただし、国民健康保険組合の場合は対象になる場合もある。
請求を忘れた場合、産休開始の翌日から2年以内なら全額請求できる。2年経過後は受給できる日数が減るので、早期の手続きが必要。
  
【窓口】(事業主を通じて)社会保険事務所へ
育児休業給付金
  1歳未満の子を養育するために育児休業を取得する(雇用保険の)被保険者に対して給付金を支給する制度で、(育児休業中は事業主は賃金を支払う義務はなく、その間は無給になるが)無給状態を補うためのもの。育児休業給付には、育児休業期間中に支給される「育児休業基本給付金」と育児休業後職場復帰した場合に支給される「育児休業者職場復帰給付金」とがあります。
  受給対象者:
(1)雇用保険の一般被保険者のうち、1歳未満の子を養育するために育児休業制度を利用する人で
(2)育児休業開始前2年間に賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある人(11日以上働いた月が12カ月以上あること)。
育児休業が取得できるのは父親か母親かのどちらか一方で、従って給付金の受給は当然に1人です。
  
育児休業基本給付金
給付金は、休業開始時点の賃金月額の30%で、上限は144,630円。従って、月給が482,100円以上の人は給付率が給料の30%を下回る。
育児休業開始日から起算した1カ月ごとの「支給単位期間」について支給される。ただし、支給単位期間において休業している日が20日以上あることが条件。
産前産後休業期間(産休)は支給対象外。産後休業期間に引き続いて育児休業をとる場合には、産後の産休期間終了日の翌日(出産日の翌日から計算して57日目)が育児休業開始日となる。
育児休業は、最長で1歳の誕生日の前々日までとれるので、従って最長でも10カ月となる。
育児休業前の1カ月の給与が30万円で10カ月間休業した場合の試算:
育児休業基本給付金=30万円×30%=月9万円×10カ月=60万円
  
育児休業者職場復帰給付金
育児休業基本給付金を受給した者が、育児休業終了後に雇用保険の被保険者として職場復帰して6カ月間雇用されること。
給付金額=休業開始時点の賃金月額の10%×育児休業基本給付金の支給対象となった月数
育児休業前の1カ月の給与が30万円で育児休業基本給付金の支給対象が10カ月の場合の試算:
育児休業者職場復帰給付金=30万円×10%×10カ月=30万円
  
【窓口】事業主を通じて職業安定所へ
  
事業主は「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」と「育児休業給付受給資格確認証」を、賃金台帳、出勤簿、母子手帳など育児休業を行っている事実が確認できる書類を管轄の職安に提出する。提出は、育児休業を開始した日の翌日から起算して10日以内。受給資格が確認できれば「育児休業給付受給資格確認通知書」と「育児休業基本給付金支給申請書」が交付される。
育児休業基本給付金は、原則として2カ月に一度、支給申請をする。「育児休業基本給付金支給申請書」に賃金台帳、出勤簿など支給申請書の記載内容が確認できる種類を添付し、管轄の職安に指定される日に提出する。
育児休業者職場復帰給付金は、「育児休業者職場復帰給付金支給申請書」を管轄の職安に提出する。ただし、育児休業終了日後6カ月を経過した日の翌日から起算して2カ月以内。
育児休業基本給付金は、復職を前提とした制度で、育児休業開始時に育児休業終了後離職予定の者は支給対象外。
育児休業期間中の健康保険料や厚生年金保険料の本人負担分は免除される。また、給付金自体も出産育児一時金などと同様に非課税となる。


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