高齢者の健康保険料負担増案

(2005年7月13日/2005年12月1日追記)

厚生労働省は、2008年度からの導入を予定している医療制度改革の一環として、高齢者の健康保険料負担について検討を開始し、来年の通常国会への関連法案提出を目指すという。
また、70歳以上の高齢者の窓口負担増(3割へ)や長期入院患者の食費・居住費の本人負担などは、2006年度からの先行も検討している。
増え続ける高齢者の医療費は、現在、72歳以上の医療費を健保組合や政管健保の「高健拠出金」と税金でまかなっているが、この拠出金制度では(企業単位で医療を支える健保組合制度の)破綻が目に見えていることから、厚生労働省が検討を始めている。

現在の制度
   
区分就業状況など保険加入状況本人の保険料負担
高齢者@自営業、子などの扶養を受けない人国保(国民健康保険)に加入負担あり
A会社等で就業する人(下記注1)就業先の健康保険に加入負担あり
B子などの扶養を受ける人扶養者の健康保険に被扶養者として加入負担なし
   
(注)1.健康保険は、社会保険の適用事業所で恒常的に就業する人は、年齢に関係なく就業先の健康保険に加入する。就業先が適用事業所でない場合、就業が恒常的でない場合は、上表@またはBとなる。
その内、75歳以上の人(現在は72歳以上、第B項参照)は「老人保健」にも同時加入する。手続は、健康保険の保険証を添えて2週間以内に運営主体である市町村役場に届け出る。→ 市町村役場より「健康手帳(医療受給者証)」が交付される。
2.退職者医療制度:会社などを退職し、年金を受けている人とその扶養家族は、老人保健制度の適用を受けるまで「退職者医療制度」で医療を受ける。病院等で支払う本人の負担金は原則3割。国保に加入していることが前提で、年金受給権の発生後、年金証書を受けてから14日以内に、国保の担当窓口に届け出る。「国民健康保険退職被保険者証」が交付される。
なお、退職被保険者本人が老人保健の適用を受ける様になったとき、死亡したときは、その扶養家族は国保の被保険者となる。
3.老人保健制度:医療等の給付は老人保健から支給され、病院等で支払う本人の負担金は原則1割(一定以上の所得のある人は2割)。保険料は、個人や会社が老人保健に納めるのではなく、政管健保や健保組合などの保険者が納める拠出金が財源。
2002年10月から対象年齢が70歳以上から75歳以上に5年間で段階的に引き上げられており、現在は72歳以上が対象。
   
厚生労働省の検討方向(2008年度導入目標)
   
区 分改革の方向(改革という名の、単なる負担増算段)
前期高齢者
 (65歳〜74歳)
現行の退職者医療制度は廃止し、本人(上表Bの子などの扶養を受けている者)も保険料を負担し、各医療保険が加入者数に応じて財政負担する → 高齢者の扶養家族を持つ会社員の保険料に上乗せする案が有力だという。
後期高齢者
 (75歳以上)
新保険を創設し、都道府県や市町村連合など地域単位に運営する。公費を5割投入し、全加入者から保険料を徴収する他、現役世代が「連帯的保険料」で財政支援する。
→ 子などの扶養を受ける人(扶養者の健康保険に被扶養者として加入している人で、本人の保険料負担なし)は新たに保険料を負担することになる。
   
2005-12-1 追記分
医療制度改革大綱での窓口負担増方針
   政府・与党による医療制度改革大綱=医療費の患者窓口負担増案は次のとおり(2005年11月30日)。赤字箇所が負担増の部分。
   
     所得層〜64歳65〜69歳70〜74歳75歳〜
現在高所得者3割2割
中・低所得者1割
2006年10月〜高所得者3割3割
中・低所得者1割
2008年度〜高所得者3割3割
中・低所得者2割1割
    (注)高所得者とは、夫婦2人世帯で年収621万円以上(2008年8月からは同520万円以上)をいう。


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