2003年 株主総会に向けての整理

(2003年2月16日)

平成13年、14年の商法改正に伴い、2003年4月以降の定時株主総会に係る総会招集、議決等について以下整理した。
 
●株主総会関係
 (1)株主総会招集通知発送期間の短縮(平成15年4月1日施行)
株主総会の招集通知は、株主総会開催日の2週間前に通知書面を発送するが、閉鎖会社(株式の譲渡制限を定めている会社)は定款変更により、1週間を限度に招集通知の発送期間(開催日の2週間前)を短縮できる(改正商法232条1項但書)。
本件は、平成15年4月1日以降の株主総会で定款変更を行い、その次の総会から実施することとなる。
 
 (2)招集通知発送の省略(平成15年4月1日施行)
 閉鎖会社以外の会社を含め、株主総会で議決権がある全ての株主の同意があれば、招集手続きを経ずに株主総会を開催できる(改正商法236条)。本件、定款変更は不要
全ての株主の同意が要件であるため、事実上は中小企業が利用するのみ。各株主総会毎に全株主の同意が必要であり、且つ後日のトラブル(同意の有無で総会の決議無効に発展する可能性)に備える同意の証拠保全に注意が必要である。
 
 (3)電磁的方法による総会招集通知(平成13年改正)
 電磁的方法(電子メール等)で総会招集通知ができる(改正商法232条2項)。会社は、各株主に電磁的方法の種類と内容を示し、書面又は電磁的方法で承諾を得ることで、株主総会招集通知を発することができる(商法及び有限会社の関係規定に基づく電磁的方法による情報の提供等に関する承諾の手続き等を定める政令9条)。
 
 (4)書面による総会決議(平成15年4月1日施行)
 株主総会を「書面決議」で行うことが可能となった(改正商法253条1項)。書面決議は、全株主が「提案内容とそれに同意する旨を記載した書面又は電磁的記録」を会社に送り、議案に賛成であることを積極的に示す必要があり、1名でも棄権者や反対者が出れば書面決議は成立しないので注意が必要。

実務的には、総会招集通知の中で議案を提案すると共に、「提案内容とこれに同意する旨の書面」の用紙を添付し、株主が署名押印して返送(電子メールの場合は、その内容と氏名を記して返信)する形となる。

 
 (5)電磁的方法による招集通知と議決権行使(上記の組み合わせ)
 電磁的方法による招集通知を承諾した株主に対し、議決権行使の参考となるべき事項についての書面を電磁的方法で送信し(改正商法239条の2)、株主は電磁的方法で議決権行使を行うことが可能。
この場合、会社は取締役会決議で「株主総会に出席しない株主は、電磁的方法で議決権を行使できる」ことを定めておく(改正商法239条の3)。
 
 (6)株主提案権(平成15年4月1日施行)
 株主提案は、従来は「6カ月前から引き続き総株主の議決権の1/100以上又は300個以上の議決権を持つ株主が、総会の6週間前に書面をもって一定事項を総会の会議の目的とすることを請求できる」が、改正により6週間が8週間に延長された(改正商法232条の2第1項)。
併せて、少数株主による株主総会招集通知も、招集する総会の6週間前から8週間前に期間延長となった。
 
 (7)特別決議の定足数(平成15年4月1日施行)
 特別決議の場合の株主の定足数が、総株主の議決権の過半数が出席することが決議条件であったが、定款の定めにより特別決議の定足数を総株主の議決権の1/3まで緩和することができることとなった(改正商法343条2項)。
但し、この定足数緩和の定款変更には、従来どおり総株主の議決権の過半数の出席が必要となる。
 
監査役関係
 (1)監査役の任期変更
 監査役の任期が従来の3年から4年に変更されている(改正商法273条1項)。詳細はこちらをご参照
 
 (2)監査役の取締役会への出席等の義務化
 従来は、監査役の取締役会への出席・意見陳述の「権利」であったが、監査役の取締役会への出席と必要な際の意見陳述が「義務」となっている(改正商法260条の3第1項)。
従って、取締役会に出席しない監査役は義務違反となる他、会社に大きな損失が出た場合は、第三者からの損害賠償の対象となる可能性もあるので注意が必要。
 
 (3)辞任監査役の意見陳述
 監査役が辞任した場合、辞任後最初の株主総会の際、その辞任した監査役にも招集通知を出すことが義務づけられ、辞任した監査役はその株主総会で意見を述べることができる(改正商法275条の3の2)。
また、商法特例法上の大会社は、監査役会に監査役選任の提案権が認められている(改正商法特例法18条3項、3条3項)。同時に、商法特例法上の大会社は委員会等設置会社への改編が認められた(平成15年4月1日施行)。⇒ 委員会等設置会社
 
除権判決関係
 (1)株券喪失による除権判決制度が廃止(平成15年4月1日施行)
 株券喪失による除権判決制度が廃止されたため、従来定款に記載してあった株券喪失の場合の「除権判決の謄本または正本一部を添付して当該会社の書式により請求」の旨の記載を、削除するか、或いは他の表現に変えることが必要。
 


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